伊藤整におけるプルーストの影響

書誌事項

タイトル別名
  • The Proustian Heritage in Sei Itō's Short Stories “Sakkaku-no-aru-hairetsu” and “Acacia-no-nioi-ni-tsuite”
  • 伊藤整におけるプルーストの影響 : 「錯覚のある配列」から「アカシアの匂に就て」ヘ
  • イトウセイ ニ オケル プルースト ノ エイキョウ : 「 サッカク ノ アル ハイレツ 」 カラ 「 アカシア ノ ニオイ ニ ツイテ 」 ヘ
  • ――「錯覚のある配列」から「アカシアの匂に就て」へ――

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抄録

<p>映画とプロレタリア文学に対抗する意図のもと、新しい心理小説を模索しはじめた一九三〇年の伊藤整は、同年前半にフロイトの精神分析学を導入した小説を、後半以降はジョイスの「意識の流れ」の手法に倣った小説を相次いで発表する。伊藤とフロイト、ジョイスとの関連では、これまで様々に論じられてきたが、プルーストについてはほぼ手つかずの状態であった。本稿は、「英訳をとほして読ん」だという伊藤の特殊なプルースト受容の中身に注目して、短編小説「錯覚のある配列」(二月)および「アカシアの匂に就て」(八月)に書き込まれたプルーストの「影響」をそれぞれ明らかにするとともに、プルーストがこの時期の伊藤の文学観を形作る大きな柱のひとつとなっていたことを論考した。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 61 (11), 56-66, 2012

    日本文学協会

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