都賀庭鐘『莠句冊』の可読性 : テクストに対する二つのリテラシー(<特集>リテラシーと文学)

書誌事項

タイトル別名
  • The Readability of Tsuga Teisho's "Hitsuji-gusa" : The Two Aspects of Literacy and the Literary Text(<Special Issue>Literacy and Literature)
  • 都賀庭鐘『莠句冊』の可読性--テクストに対する二つのリテラシー
  • ツガテイショウ ヒツジグサ ノ カドクセイ テクスト ニ タイスル フタツ ノ リテラシー

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説明

リテラシーは文字の行使に関する能力である。ただし、徹底的に規範性に基礎付けられている。つまり、ある規範があり、そこへの到達度として測られた能力である。だから、規律正しいがネガティブで消費的である。テクストと典拠の関係もこの規範性に準拠している。もっと積極的で創造的な概念としてリテラシーを捉えることはできないだろうか。規範的行使から逃れ、リテラシーが本来持つ創造性を発揮することができるのではないだろうか。近世小説の孤峰(と私が考える)都賀庭鐘『莠句冊』の難解さの質(特に典拠をめぐる破綻の諸相)をそうしたリテラシーの発現と見て、この問題を考えてみたい。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 60 (1), 38-50, 2011

    日本文学協会

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