ネストロイ『鉄道結婚』

書誌事項

タイトル別名
  • Nestroys »:Eisenbahnheiraten«:
  • ネストロイ『鉄道結婚』 : あるいは「避暑地」の誕生
  • ネストロイ 『 テツドウ ケッコン 』 : アルイハ 「 ヒショチ 」 ノ タンジョウ
  • ーあるいは「避暑地」の誕生

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説明

一八世紀に執筆された数多くの紀行文学の中で、アイペルダウアー氏の手になる書簡体の作品は、とりわけ興味深い(2)。ドナウ川の向こう側の集落カグランに住む親戚に宛てて書かれたこの手紙には、当時のウィーンの人々の習慣がお上りさんの視点から事細かに報告されている。それだけではない。氏はその冒頭で、生まれ育ったアイペルダウアー村を出てウィーンへと至る道中の、その道路のありさまにもまた言及している。道にぽかんと口を開けた自然の窪み、人の手によって掘られたらしい穴などの存在を知ると、この時代の旅行がどれだけ大変であったのかがよく伺える。もちろん彼は何度もこの窪みに足をとられて、地面に叩きつけられるのであるが。ともあれこの作者が、当時の旅の持つ魅力や困難さを読者に伝えることに成功しているのは、間違いないだろう。

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