科学技術の社会問題に関する思考の評価フレームワーク

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タイトル別名
  • Review of Analytic Frameworks for Students’ Thinking on Socioscientific Issues

抄録

科学技術の社会問題(SSI)を扱った実践や研究が増加している.本研究ではこのうち,SSIに対する思考,特に意思決定や推論を評価した研究に焦点を当て,使用された評価フレームワークを概観する.主要学術雑誌に掲載された近年のSSI研究14編をレビューした結果,SSIに関する思考の評価フレームワークは,次の3タイプに大別できた.(1)思考の内容:SSIに関する思考に影響を及ぼす要因を思考の内容から捉えるもの,(2)思考の質:アーギュメント構造の観点から思考の質を評価するもの,(3)思考の内容と質の併用:思考の内容と思考の質を総合的に評価しようとするものである.フレームワークの比較検討から,以下のことが明らかになった.思考の内容の評価観点としては,Sadlerらによる推論パターンと,社会志向,科学技術志向といったカテゴリーによって推論の内容を評価する推論モードの2観点があった.思考の質の評価では,アーギュメント構成要素のうち,反駁や対立意見への言及を含むアーギュメントを,質の高いものと見なした研究が多かった.思考の内容と質の両面で評価する研究は,現時点ではまだ少数であった.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206108737024
  • NII論文ID
    130006660189
  • DOI
    10.14935/jsser.30.3_77
  • ISSN
    18824684
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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