共役リノレン酸含有構造油脂に対する各種フェノール性化合物の酸化防止能の比較

  • 閑田 文人
    成蹊大学理工学部物質生命理工学科天然物応用化学研究室
  • 原 節子
    成蹊大学理工学部物質生命理工学科天然物応用化学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Anti-oxidative Activity of Various Polyphenolic Compounds for Structured Triacylglycerols Containing Conjugated Linolenic Acid
  • キョウヤク リノレンサン ガンユウ コウゾウ ユシ ニ タイスル カクシュ フェノールセイ カゴウブツ ノ サンカ ボウシノウ ノ ヒカク

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説明

本研究では酵素的アシル基変換反応によりオリーブ油に共役リノレン酸 (CLN) またはα-リノレン酸 (LN) を約30%組み込んだ共役型油脂 (CLN-TAG) と非共役型油脂 (LN-TAG) をそれぞれ調製し, それらに対するフェノール性化合物の酸化防止能について比較検討を行った。その結果, CLN-TAGに対しトコフェロール, セサモール, エピガロカテキンガレート (EGCG), ケルセチンの4種の水素ラジカル供与型の酸化防止剤は酸化防止効果を示し, それらの効果はDPPHラジカル消去能に依存することが判明した。EGCGは酸化安定性試験 (90ºC) において4種の中で最も高い酸化防止効果を示したので最適添加量を検討した結果, CLN-TAGとLN-TAGに対し3,600 ppm (DPPHラジカル消去能Toc添加量換算で20,000 ppm) 添加したとき, 酸化安定性がいずれも約6倍向上した。CLN-TAGについては添加量に伴い酸化防止効果が向上し, 5,500 ppm (DPPHラジカル消去能Toc添加量換算で30,000 ppm) 添加すると約8倍まで酸化安定性が向上した。しかし, LN-TAGに対しては3,600 ppm以上添加しても酸化安定性の大きな向上は見られなかった。以上よりCLN-TAGを効果的に酸化防止するためには脂溶性で耐熱性があり, DPPHラジカル消去能が高いEGCGを5,500 ppm使用することが有効であると考えられた。

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