<i>tert</i>.-Butylhydroperoxide 処理による赤ビート切片からのベタシアニン リーケージに及ぼす各種の添加物質の影響

書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of Various Chemicals on Betacyanin Leakage in Red Beet Discs Exposed to <i>tert</i>.-Butylhydroperoxide
  • tert.-Butylhydroperoxide処理による赤ビート切片からのベタシアニンリーケージに及ぼす各種の添加物質の影響
  • tert.Butyl hydroperoxide ショリ ニ ヨル セキ ビー
  • The Effects of Various Chemicals on Betacyanin Leakage in Red Beet Discs Exposed to tert.-Butylhydroperoxide

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説明

老化や生理障害の初期に見られるリーケージ現象の発生機構に関する知見を得るためにモデル実験として赤ビート切片にBHP処理を施して生じるベタシアニン色素のリーケージについて研究しているが, 本実験ではBHP処理と同時にか, あるいは処理後に種々の薬剤を浸漬液に添加して, それらの影響を検討した. そして,それらに基づいてBHPのリーケージ誘発機構を推論した.<br>1. 前報に準じた実験条件において, 赤ビート切片を10mM BHPで8時間処理すると, その後BHPを含まない浸漬液中でベタシアニン色素のリーケージ (OD540nmの増加) が顕著に観察された. 各ロットにより多少違いが見られるが, その吸光度は5~7時間後には約1.0に達した.<br>2. 5mM DEDTC-Na, 20mMチオ尿素, 5.0mM(+)-カテキン, そして, 1mM n-プロピルガレートはBHP処理と同時に添加すると, それぞれ極めて効果的にベタシアニン リーケージを抑制した.<br>3. 5mM L-システインと5mM D-アスコルビン酸も有意に抑制効果を示した.<br>4. 5mM (+)-カテキン, 10mMシステイン, 20mMチオ尿素はBHP処理後に浸漬液に添加しても540nmの吸光度の増加を抑えた.<br>5. BHP処理と同時に5mM EDTA, あるいは2.5mM FeCl3の添加は著しくベタシアニン リーケージを促進した.<br>以上の結果から, BHPは赤ビートの組織内で鉄イオンのような未知要因によってラジカルに変換され, ベタシアニン色素のリーケージを誘発するものと推測した.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 57 (1), 116-121, 1988

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (7)*注記

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