里芋の調理に関する研究 (第 1 報)

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Taro in Cookery (Part 1)
  • サトイモ ノ チョウリ ニ カンスル ケンキュウ 1 ネバリ ト カタサ ニ オヨボス カクシュ テンカブツ ノ エイキョウ
  • The Influence of Various Kinds of Additives on its Glutinousness and Hardness
  • 粘りと固さに及ぼす各種添加物の影響

この論文をさがす

説明

1. 里芋の粘質物は、水中に容易にとけだし、加熱しても、変化しないが、各種添加物を加えて加熱すると、粘度は低下する。<BR>2. 里芋に各種添加物を加えて加熱すると、粘質物が溶出するのを防ぐか、或は、溶出した粘質物を変化させて煮汁のにごり、ふきこぼれを防ぐことができる。これは添加物の種類、量、加熱時間により幾分、差がある。<BR>3. 2の場合、酸性物質を加えたものは、芋の表面が、固くなり、煮えにくい。これは、細胞中に、水に不溶のCalcium-pectateが形成されるためと考えられる。また、しかしこの場合、煮た芋の色は白く、泡立ちも希薄でふきこぼれを防ぐことがわかる。<BR>4. みょうばんは、少量用いても、以上の効果がある。また、加熱中、ゆでこぼしをすれば、表面が固くなるのを防ぎうるし、むしろ、煮くずれを防ぐのに役立つ。<BR>5. 2の場合、アルカリ性物質を加えたものは、芋の表面の組織は、いちじるしく破壊される。<BR>6. 里芋の特有の食味は、粘質物と澱粉により形成されると推定される。従って、少量の酸性物質を使用して粘質物の溶出を防ぐことは、里芋のうまみを保つのに役立つと考えられる。

収録刊行物

  • 家政学雑誌

    家政学雑誌 18 (3), 147-151, 1967

    一般社団法人 日本家政学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ