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- 岩川 治
- 静岡大学農学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Human Engineering Evaluation on Working Circumstances of Forest Workers with Portable Machines (I)
- 可搬式機械による林業労働の人間工学的研究-1-チェンソーの鋸断振動と作業の快適性について
- カハンシキ キカイ ニ ヨル リンギョウ ロウドウ ノ ニンゲン コウガクテキ ケンキュウ 1 チェンソー ノ キョダン シンドウ ト サギョウ ノ カイテキセイ ニ ツイテ
- チェンソーの鋸断振動と作業の快適性について
- The Vibration of Chainsaws and the Working Comfortableness under the Timber Cutting Operations
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説明
本論文は,チェンソー作業によってもたらされる機械振動要因をとりあげ,エンジン回転数をもとにした振動の大きさ,鋸断効率と振動の関係,およびそれら各条件下でみられる人体の生理的反応の関係を系統的に調べ,チェンソー作業の人間工学的考察を試みたものである。<br> 調査の結果,つぎのことが得られた。<br> (1) 鋸断作業時,チェンソーのブレードに直角方向(上下方向),ハンドルバー上での振動加速度は,エンジンの回転数にほぼ比例して大きくなる(図-2, 3)。 回転数に対する測定条件は,スロツトルを全開(エネルギーを一定)にして鋸の丸太への圧着力を変えることにより,各段階の所定鋸断回転数を調整した。 (2) チェンソーの鋸断速度cm2/secと回転数の関係からは,ある回転数領域で,鋸断速度がもっとも大きくなり,回転数に対して凸型のカーブを示す。<br> (3) チェンソーの使い方 (rpm) に基づく振動加速度の大きさと,その条件下での心拍数(生理的人体反応)との関係から,心拍数は回転数が小さい領域にあるほど,逆に大きくなる傾向がある。以上のことから,人間工学的につぎの見解が要約される。<br> 1) チェンソーの経済的な効率のよい使い方は回転数の側から規制できる。また,その場合,機械の側の振動から見るかぎり,一般に (1) により振動条件はあまり悪くない。 2) しかし,鋸断中の機械振動の大きさと生理的反応は比例的でなく,工学的に機械振動を減少させる努力だけでは,おそらく十分な人間工学的解決にはならない。 3) 心拍数の増加をおさえる方向(作業の快適性)に作業の重点を移していく立場をとるとき,ある程度経済性がおさえられることになり,両者のバランスが必要となる。
収録刊行物
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- 日本林學會誌
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日本林學會誌 54 (9), 303-310, 1972
日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206359936512
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- NII論文ID
- 110002834637
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- NII書誌ID
- AN00198561
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- ISSN
- 21858195
- 0021485X
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- NDL書誌ID
- 7625087
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可