ポリ(<small>L</small>-乳酸) (PLLA)孤立鎖の分子特性解析

  • 齋藤 悠太
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 伊豆田 大樹
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 金子 典史
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 富樫 大地
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 鳴海 敦
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻
  • 川口 正剛
    山形大学大学院理工学研究科機能高分子工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Characterization of Poly(<small>L</small>-Lactic Acid) Isolated Chain
  • ポリ(L-乳酸)(PLLA)孤立鎖の分子特性解析
  • ポリ(L-ニュウサン)(PLLA)コリツ サ ノ ブンシ トクセイ カイセキ
  • Molecular Characterization of Poly(L-Lactic Acid) Isolated Chain

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抄録

ポリ(L-乳酸) (PLLA)の分子特性解析は,クロロホルム(CHCl3)と1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)を溶離液としたサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)およびSEC-多角度光散乱(MALS)測定によって行われた.CHCl3あるいはHFIPを溶離液とした通常のSEC測定からPLLAの見かけの重量平均分子量Mwを求めるとおよそ160~200×103 g mol-1であった.一方,HFIPを溶離液としたSEC-MALS測定から絶対分子量Mwを決定すると75~81×104 g mol-1であることがわかった.この違いはSECで用いられる標準試料とPLLAの単位長さ当たりのモル質量が大きく異なることが原因である.PLLAの分子量測定はHFIPを溶離液に用いたSEC-MALS法が最も適切な方法であると結論された.HFIP中25℃におけるPLLA孤立鎖のz-平均根二乗回転半径⟨S2z1/2の分子量依存性は⟨S2z1/2 (nm)=2.3×10-2 Mw0.60で示されることがわかった.また,25℃,CHCl3およびHFIP中のPLLAの極限粘度[η]の分子量依存性はMw>1×104でそれぞれ,[η] (mL/g)=3.3×10-2 Mw0.74,[η] (mL/g)=4.4×10-2 Mw0.71で表されることがわかった.⟨S2z1/2および[η]からPLLA鎖の特性比Cは11.2±0.7と決定された.PLLA鎖はCHCl3およびHFIP希薄溶液中では典型的な屈曲性高分子であること,排除体積効果によってより拡がったコイルライクな形態で溶存していることが結論された.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 69 (7), 416-423, 2012

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (51)*注記

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