アルファルファ緑葉脱タンパク上澄液の根粒菌培地としての利用

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タイトル別名
  • Study on Agricultural Utilization of Deproteinized Plant Juice : 1. Suitability of Deproteinized Juice of Alfalfa Plant as Culture Medium for Rhizobilum Species
  • アルファルファ リョクヨウ ダツ タンパク ウワズミエキ ノ コンリュウキン

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説明

アルファルファの緑葉から葉タンパクを分離する際に多量の脱タンパク上澄液(A-BJ)が排出される.本研究では,A-BJの組成を明らかにするとともに根粒菌培地としての利用性を検討した.その結果,以下のことが明らかとなった.1)A-BJはpH 5.55, EC 15.5mS,全窒素0.17%,固形物4.78%を含む褐色溶液であり,それには多数の無機塩類のほかに糖としてグルコース,フラクトース,シュークロースが,アミノ酸としてアスパラギン,アスパラギン酸,セリン,アラニンなど十数種のものが含まれている.2)アルファルファ根菌類(R. meliloti 菌株 No.206)はA-BJおよびその希釈液で良好に増殖し,YM培地と比べても優れた根粒菌培地として利用できた.また,その他のアルファルファ根粒菌株(14菌株)を用いた試験によってもほぼ同様の結果が得られた.3)アルファルファ根粒菌以外の根粒菌種についてもA-BJ培地が良好な培地としての性質を持つが,ダイズ根粒菌,インゲン根粒菌ではA-BJ培地よりもその希釈培地の方が良好な増殖を示した.4)A-BJに含まれる3種の糖類(グルコース,フラクトース,シュークロース)は根粒菌の炭素源としていずれも利用された.アミノ酸のなかではアスパラギンが窒素源として最も多く利用された.以上の結果から,A-BJは他の栄養素を付加することなしに根粒菌の培地として利用できるものと考察した.

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