圧密条件下における土壌物理性の変化と草類根系の発達

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タイトル別名
  • Soil Compaction Effects on Root Developments of Grasses and Some Soil Physical Properties
  • アツミツ ジョウケンカ ニ オケル ドジョウ ブツリセイ ノ ヘンカ ト ソウ

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説明

永年放牧草地では長期にわたる家畜の踏圧のため,圧密により土壌の物理性が劣悪化し,牧草の生育が不良となる.そこで(1)永年牧草地の土壌物理・化学性の特徴の把握,(2)牧草の生育,とくに根系の発達と土壌物理性に及ぼす圧密の影響と土性との関連や(3)土壌物理性の変化を示す簡易な指標について検討した.その結果,1) 放牧草地では採草地に比較して酸素拡散速度では一定した傾向が認められなかったが,とくに表層 10 cm 以内で土壌硬度や固相率が高く,気相率や通気係数が低いなどの特徴が認められた.2) 土壌圧密によって,シコクビエの地上部と根部乾物重,根長および通気係数や気相率は著しく低下し,土壌硬度と固相率は上昇し,これらの低下あるいは上昇の程度は,粗砂,細砂含量の低い土壌ほど顕著であった.3) 通気係数,硬度,気相率のうち,とくに通気係数と圧密条件下におけるシコクビエの生育,とくに根系の発達とは高い相関が認められた.また通気係数は現地でも簡易に測定でき,測定値のばらつきも小さかったことから,圧密条件下の根系発達の指標として最適と考えられた.

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