福岡大学病院皮膚科における乾癬の内服治療の推移

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タイトル別名
  • Changes in the Oral Treatment of Psoriasis at Fukuoka University
  • 統計 福岡大学病院皮膚科における乾癬の内服治療の推移
  • トウケイ フクオカ ダイガク ビョウイン ヒフカ ニ オケル カンセン ノ ナイフク チリョウ ノ スイイ

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説明

<p>乾癬の全身療法は生物学的製剤の登場により大きく変化したが,それまで全身療法で中心であった内服薬のその後の使われ方については調査が少ない。我々は 2010 年 1 月 1 日から 2016 年 3 月 31 日までの期間で当科を受診し,乾癬と診断され,シクロスポリン,エトレチナート,メトトレキサートの処方が新たに開始された患者 149 例について,性別,年齢,内服薬の種類,内服期間,他の薬剤への移行,薬剤の併用,生物学的製剤への移行の有無の項目について検討した。シクロスポリンは 107 例に用いられ,単独群,他の薬剤も使用していた群共に平均使用期間が他の薬剤よりも長かった。シクロスポリンは生物学的製剤への移行が 40.0%であったが,2000 日以上にわたり長期使用されている例もあり,現在も生物学的製剤への切り替えができずに頼っている症例があることが明らかとなった。エトレチナートは 44 例に使われており,高齢の症例に多く生殖可能年齢の症例には少なかった。その継続の中央値は 255 日とやや短く,一時的に用いられているものであった。メトトレキサートは 30 例に開始され,生物学的製剤への移行が 54.5%と 3 剤の中で最も高い結果となった。関節痛を伴う例に多く使用されていることが一因だと考えられた。内服薬の毎年の推移ではメトトレキサートの使用が増加していた。今回の調査は生物学的製剤の発売後でかつアプレミラスト発売前の内服薬の使われ方を観察する意義があると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 81 (4), 316-320, 2019-08-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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