ステレオガイド下吸引式乳房組織生検後の追跡調査による検査精度の検証

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  • Diagnostic Accuracy of Stereotactic Vacuum―assisted Biopsy of Breast Tissues

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抄録

ステレオガイド下吸引式乳房組織生検(マンモトーム生検;ST―MMT 生検)において,機器の操作を担当する放射線技師の責任は大きい。平成21年2月から平成25年4月間に当院でST―MMT 生検および生検後の経過観察,手術を施行した264症例(良性172例,要経過観察22例,悪性70例)を見直し,どの程度適正な採取が行われていたのか検査精度を検証した。 生検結果が良性であった症例中6例は経過観察期間中に石灰化の増加を認め,再生検を施行した。うち2例は乳管上皮の一部に異型を認め,慎重に経過観察しているが,悪性所見の出現は認めていない。要経過観察症例中初回生検の結果が平坦上皮異型であった1例は2年後に石灰化の増加を認め,再生検でDCIS との診断を得た。経時的な癌化が示唆された。悪性例について,ST―MMT 生検と手術後の病理結果での浸潤の有無は87%(61/70)一致した。他施設と比較して遜色ない結果であり,適正な採取が行えていると言えた。多形性の石灰化はST―MMT 生検によってDCIS か浸潤癌かを正しく診断できる割合が高かった。ST―MMT 生検と手術後の病理結果が異なっていた症例には,石灰化が淡い・輝度差や大小のばらつきが乏しい・分布が区域性などの特徴があった。ST―MMT 生検は身体的負担を伴う検査であるが,診断精度は高い。放射線技師が技術研磨に努めることで,被検者により有益な検査を提供することができると思われた。

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