滝沢中央病院におけるお薬相談室とポリファーマシー外来の連携による転倒予防の取り組み

  • 菊地 大輝
    医療法人社団松誠会滝沢中央病院総合診療科
  • 伊藤 浩信
    医療法人社団松誠会滝沢中央病院総合診療科
  • 中村 節子
    医療法人社団松誠会滝沢中央病院薬剤部
  • 山田 奈穂子
    医療法人社団松誠会滝沢中央病院薬剤部
  • 秋浜 沙織
    医療法人社団松誠会滝沢中央病院薬剤部
  • 三浦 陽香里
    医療法人社団松誠会滝沢中央病院薬剤部
  • 高橋 智弘
    岩手医科大学医学部救急・災害・総合医学講座総合診療医学分野
  • 下沖 収
    岩手医科大学医学部救急・災害・総合医学講座総合診療医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Promotion of Fall-Prevention by Collaboration Medicine Consultation Room and Polypharmacy Clinic in Takizawa Central Hospital
  • タキザワ チュウオウ ビョウイン ニ オケル オクスリ ソウダンシツ ト ポリファーマシー ガイライ ノ レンケイ ニ ヨル テントウ ヨボウ ノ トリクミ

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説明

<p>【目的】お薬相談室とポリファーマシー外来の連携が転倒予防にもたらす効果を明らかにすること。【方法】滝沢中央病院において,2017年1月から2017年3月までにお薬相談室を利用した患者で,1年以内に1回以上の転倒既往があり,1日に10剤以上の内服薬を内服している患者にポリファーマシー外来受診を勧め,転倒予防効果についての調査を行った。お薬相談室の担当薬剤師が,転倒の原因となりうる作用・副作用をきたす内服薬を抽出し,転倒リスクを検討した。薬剤による転倒リスクがある患者で,処方整理の提案に同意した患者に対し,詳しい情報を処方医,かかりつけ医に提供した。お薬相談室の利用から3か月後に,お薬相談室の満足度に関する質問と,転倒の有無についてのアンケート調査を行った。【結果】対象となったのは4症例だった。全症例が,80歳以上の高齢者で,高血圧症治療薬を内服していた。転倒の原因となる作用・副作用では,眠気・ふらつき・注意力低下,失神・めまいが多い傾向であった。お薬相談室の満足度では,すべての質問で「満足」から「やや満足」であり,お薬相談室は好評であった。特に,「お薬相談室の薬剤師の応対」,「お薬相談室で自分の気持ちを相談することができたか」については,全症例で「満足」という結果であった。全症例がお薬相談室利用から3か月間は転倒することはなく,つまずきやふらつくといった症状も少なくなった。【結論】本研究では症例数が少なく,研究の追跡期間も短いため,統計学的な検討をしていないが,転倒がなくなり,ふらつき,つまずきが少なくなったことから,当院でのお薬相談室とポリファーマシー外来の連携は転倒を予防する可能性が示唆された。</p>

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