<I>Nannochloropsis oculata</I> のバッチ培養における動物プランクトンの餌料として好適な培養状態を推定するための分光光度法の応用

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タイトル別名
  • Application of spectrophotometry to estimate the optimum culture conditions for <I>Nannochloropsis oculata</I> as a diet for zooplankton
  • Application of spectrophotometry to estimate the optimum culture conditions for Nannochloropsis oculata as a diet for zooplankton

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抄録

微細藻類 Nannochloropsis oculata の収穫を適当な時期に行い,ワムシに給餌することによって効率的なワムシ栄養強化を行うことができる。現在,N. oculata の適切な収穫時期は細胞数の計数に基づいて判断されており,餌料価値を正確に判断することは困難である。そこで,本研究では分光光度計を用いて簡便な収穫時期判断手法を開発することを目的とした。N. oculata の培養液中の細胞密度,栄養塩濃度(硝酸態窒素とリン酸)と培養個体群の吸光度(360-780 nm)を毎日測定した。対数増殖期はリン酸が消費され濃度が4.0 μg/ml 以下になった時点で終了した。490 nm と680 nm の吸光度比は実験開始時から上昇傾向を示し,対数増殖期開始時に減少傾向に転じた後,リン酸が枯渇する時期に再び上昇傾向に転じた。定常期はリン酸枯渇後に見られる硝酸態窒素枯渇時に開始した。つまり,吸光度比は増殖パターンよりリン酸枯渇に対応して上昇することが明らかとなった。分光光度法は将来的に培養状態推定手法となる可能性がある。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 65 (3), 209-219, 2017-09-20

    日本水産増殖学会

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