母親たちの主体的活動としての音楽祭

書誌事項

タイトル別名
  • The Music Festival as an Independent Activity for Mothers
  • 母親の主体的活動としての音楽祭 : 保育所の支援からの自立プロセス
  • ハハオヤ ノ シュタイテキ カツドウ ト シテ ノ オンガクサイ : ホイクジョ ノ シエン カラ ノ ジリツ プロセス
  • ―保育所の支援からの自立プロセス―
  • - How Did Mothers Become Independent from Parenting Support

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抄録

本研究では,親たちが保育所からの支援を受けつつ主体的活動を行うようになったZ 音楽祭という活動に着目し,母親たちへのグループ・インタビューから活動がいかに母親たちによる主体的なものになったのか,また活動に対する親たちの意味づけ,保育所からの支援に対する意味づけを検討した。当初保育所主導で音楽祭が実施されたが,第3 回音楽祭には活動の基盤を安定させ支援の一方的な受け手から脱却し,親たちの主体的な活動となっていた。活動への意味づけでは,特に第2 回において母親たちが主催者として位置づけられたことがもたらした母親たちの活動への向き合い方の変化や活動におけるインパクトを大きく捉えていること,また活動を,自分たちがやりたいことを楽しみ子どもを活動に巻き込む場として意味づけ,支援の受け手から脱却するという意味での主体性を発揮しつつ,個人としての主体性を発揮する場をも創造した活動と捉えられた。保育所からの支援への意味づけでは,「安心してはじけられる」環境にあったことを既存の「サービス」とは異なると区別し評価していた。さらに,物理的支援に関しては回を経るごとに減少したものの,必要に応じて頼れる状況だったことを高く評価しており,保育所による緩やかなお膳立てとも言える支援が母親たちにとって大きな意味を持っていたと考えられた。

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