鼠径部皮下組織原発と思われた悪性顆粒細胞腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Malignant Granular Cell Tumor Originated from the Inguinal Subcutaneous Tissue

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抄録

<p>症例は77歳女性.左鼠径部の腫瘤を自覚し,穿刺吸引細胞診で低分化癌と診断された.PETで頸椎,左鎖骨下リンパ節,両側肺野・肺門,傍大動脈リンパ節,左腸骨動脈リンパ節,左鼠径部リンパ節などに集積を認めた.左鼠径部リンパ節摘出生検を行ったが,原発不明癌と診断された.カルボプラチン+エトポシド療法を開始したが効果なく永眠した.病理解剖では下腹部,左鼠径部に多発性の皮下腫瘤,両肺,縦隔リンパ節,胸膜,横隔膜,肝,腸管漿膜面,腸間膜,大動脈周囲リンパ節,骨盤内組織にも多数の結節が認められた.組織学的にはいずれも同じ組織型を示す腫瘍で,腫瘍細胞は大型で類円形,紡錘形,不整形の核と,顆粒状の豊富な細胞質を認めた.Vimentin陽性,S-100陽性,NSE陽性,Laminin陽性,CD68一部陽性で,鼠径部皮下組織原発の悪性顆粒細胞腫と考えられた.悪性顆粒細胞腫は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.</p>

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