説明的文章の読みの指導における階層的な論証の理解――中学生への実験授業を通して――

書誌事項

タイトル別名
  • The Comprehension of Hierarchical Arguments in Instruction of Reading Expository Text—Through experimental instruction with junior high-school students—
  • セツメイテキ ブンショウ ノ ヨミ ノ シドウ ニ オケル カイソウテキ ナ ロンショウ ノ リカイ : チュウガクセイ エ ノ ジッケン ジュギョウ オ トオシテ

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抄録

<p>中学校の説明的文章教材は、その多くが階層的な論証構造を備えている。学習者がこうした論証構造を自力で理解できるようになるためには、条件的知識の学習が不可欠である。本稿では、実験授業の分析を通して、条件的知識の学習を促進するために構想した指導過程の有効性を検証するとともに、階層的な論証構造の協同的な読みの過程を検討した。</p><p>その結果、本稿で構想した指導過程は、条件的知識の学習に対して有効性を持つものであった。とりわけ、課題分析は、階層的な論証構造に対する「読みの困難」を学習者に生じさせるものであった。二段階の振り返り活動は、困難が解消された原因を方略の「統合」に帰属させ、条件的知識を学習させるものであった。</p><p>また、階層的な論証構造の読みの過程は遡及的な過程として捉えることができた。すなわち、「①事実的論証の理解」→「②価値的論証への着目」→「③事実的論証への再着目と階層的な論証の理解」という過程である。他の学習者から価値的論証の飛躍が指摘され、それへの応答が求められる状況が作られたときに、階層的な論証の理解がもたらされていた。</p>

収録刊行物

  • 国語科教育

    国語科教育 84 (0), 31-39, 2018-09-30

    全国大学国語教育学会

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