Pancoast腫瘍の2例

  • 岡元 彰平
    医療法人財団池友会新小文字病院脊髄脊椎外科治療センター
  • 佐々田 晋
    医療法人財団池友会新小文字病院脊髄脊椎外科治療センター
  • 久壽米木 亮
    医療法人財団池友会新小文字病院脊髄脊椎外科治療センター
  • 髙橋 雄一
    医療法人財団池友会新小文字病院脊髄脊椎外科治療センター
  • 西田 憲記
    一般社団法人巨樹の会新武雄病院脊髄脊椎外科

この論文をさがす

抄録

<p>症例1は65歳男性.半年前より左頚部から上肢痛が出現.症例2は52歳女性.4ヶ月前より左肩甲骨部から上肢痛が出現.どちらも近医を受診し,頚椎症と診断され,対症療法が行われるも,症状の改善に乏しく当院を受診.頚椎MRIにて,C7/T1,T1/2高位で椎弓左側やその周囲に浸潤する輝度変化がみられた.その後,呼吸器外科に紹介し,Pancoast腫瘍と診断された.頚椎単純X線の正面像では,どちらも左肺尖部に明らかな異常陰影を認めていた.Pancoast腫瘍は,頚椎症や肩疾患と誤診されやすく,初診時の見逃しが多く報告されている.またその多くは整形外科医からの報告である.見逃しや診断の遅れが,その後の余命にも関わるため,早期診断が極めて重要となる.頚椎症様の症状を呈し,画像所見や身体所見に乏しい際に,単純X線やスカウト像で肺尖部の評価を行うことが,見逃しの予防につながると考えた.</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ