乳癌術後9年目に切除しえた胆囊転移の1例

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  • Gallbladder Metastases of Invasive Ductal Carcinoma of the Breast Resected 9 Years after Initial Mastectomy

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抄録

<p>症例は56歳の女性で,9年前に右浸潤性乳管癌に対して右乳房切除術および腋窩リンパ節郭清を施行され,術後3年目までに肝・骨転移を認めたが集学的加療を行うことでそれぞれ完全・部分奏効を得ていた.術後6年目に胆囊に小隆起性病変を認め,術後9年目にはそれ以前に認めなかった急峻なCEAの上昇(45.6 ng/ml)とPETで強い集積を認め,胆囊体部の2.5 cm大の広基性隆起性病変への増大が指摘された.穿刺生検は腫瘍播種の危険性を考慮し施行せず,胆囊ならびに胆囊床部切除を行い,病理組織学的検査では胆囊壁全層に胞巣状・索状の腺癌の病変と,肝浸潤・リンパ節転移を認めた.ホルモン受容体およびHER2サブタイプは乳癌病変と一致した.乳癌胆囊転移の症例は他に28例を認めるが,うち浸潤性乳管癌では6例とまれである.術後長期を経た浸潤性乳管癌であっても,胆囊の腫瘍性病変の鑑別には乳癌転移を考える必要がある.</p>

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参考文献 (23)*注記

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