転移性肝癌との鑑別が困難であった肝硬化性血管腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Hepatic Sclerosed Hemangioma

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説明

<p>症例は74歳の男性で,乏尿を主訴に当院泌尿器科を受診した.その際に施行された腹部超音波検査にて,S状結腸の壁肥厚を認め消化器内科に紹介となった.下部消化管内視鏡検査ではS状結腸に2型腫瘤を認め,S状結腸癌と診断された.また,腹部造影CTでは肝S5にring enhancementを呈する13 mm大の腫瘤を認め,腹部造影MRIにてring enhancement,肝細胞相でwash outを認めた.S状結腸癌の肝転移と診断し,S状結腸切除術,肝部分切除術を施行した.病理学的検査で肝臓の腫瘤は海綿状血管腫に伴って,硝子化と石灰化を含む繊維性結合織の増生を認め,肝硬化性血管腫と診断した.本症は画像所見で,転移性肝癌,肝内胆管癌など乏血性の腫瘍との鑑別は困難であり,確定診断には病理学的診断が必要である.</p>

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