青森県の家庭料理 主菜の特徴

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書誌事項

タイトル別名
  • Aomori prefecuture home cooking: main dishes
  • 豊富な魚介中心の料理
  • A variety of seafoodcentric dishes

抄録

【目的】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」において、青森県に残されている特徴ある家庭料理について聞き書き調査をした。今回はこの中から魚、肉、豆腐、卵を使ったおかずの特徴について報告する。<br>【方法】平成25年~27年にかけ、青森県内を主に自然環境や食文化から6地域に区分し聞き書き調査を行った。調査研究員7名で津軽地域(中南、西北、東青)11か所、南部地域(上北、三八)9か所、下北地域5か所の計25地区で実施した。調査対象者41名、年齢は70~80歳代(平均年齢73.4歳)であった。<br>【結果】本県は陸奥湾、太平洋、日本海と三方が海に囲まれ、新鮮な魚介が入手し易い環境であるため、豊富な魚介中心の料理が上げられた。特徴として「鱈のじゃっぱ汁」「ほっけやいわしのすり身汁」などの魚介を使った汁物が多かった。他には魚介のなま物、特に様々な「刺身」が各地域で多く見られ、日常や行事の際にも食べられていた。地域別に見ると、津軽地域では「あんこうのともあえ」「さめなます」、卵を使った「貝焼きみそ」、魚の加工品を利用した「干しだらの煮物」「しろと身欠きにしんの酢味噌あえ」などがあげられた。下北地域では「いかの塩辛」「八杯豆腐汁」「たこの道具汁」、南部地域では「さめの味噌つけ焼き」「馬肉鍋」が見られた。行事食は、津軽地域で「真鱈の昆布締め」「人参の子和え」、砂糖をたっぷり使った「茶碗蒸し」が、下北地域は「なまこの酢の物」「鯨汁」が年越し・正月に、南部地域は、うにとあわびを使った「いちご煮」がお盆に食されていた。青森県は豊かな漁業の地域として、様々な特徴ある魚を使った家庭料理が伝承されていた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288128537088
  • NII論文ID
    130007479266
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_207
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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