大量調理現場における卵調理加工品の緑変防止4

書誌事項

タイトル別名
  • Prevention of green-gray discoloration of cooked eggs in large cooking facilities 4
  • 調理現場での有効性の検討

説明

【目的】大量調理施設では、食中毒防止のため「大量調理施設管理マニュアル」が施行され、調理後直ちに65℃以上に保管する必要のある卵調理加工品では、緑変による品質劣化が問題になっている。前報では、卵調理加工品モデルについて還元糖および有機酸併用による緑変防止効果を明らかにした。本研究では、炒り卵の大量調理現場におけるこれら添加物の緑変防止効果について検討した。<br>【方法】炒り卵原料配合として、全卵液卵100に対し10%上白糖、0.3%食塩、5%サラダ油を添加したものを対照区とし、上白糖の一部を0.2Mグルコースに置き換え、0.05%クエン酸を添加したものを試験区とした。これらを直径30cmの打ち出し鍋を用いて加熱温度123~140℃、加熱時間約2分40秒~5分で炒り卵を調製した。調理後直ちに放冷し常温に戻したものを保温0分区、80℃にセットしたウォーマーテーブルで60分間保温した試料の表面および底面をそれぞれ保温60分表面区、底面区とした。品質評価として、色調(L:明るさ、a:+赤色、-緑色、b:黄色)、 および写真撮影を行った。<br>【結果】対照区は、60分保温後、表面区は濃く鮮やかな卵黄色を呈するのに対し、底面区の色調はL,a,b* ともに著しく減少し顕著な緑変化を呈した。試験区の60分表面区は対照区と比較し、bが有意に高く、明るい卵黄色を呈し、また、60分底面区の色調は対照区と比べ、L,a,b全てが有意に高く、緑変化抑制効果が得られた。官能による評価では、グルコース添加による褐変や褐変臭は認められなかったが、クエン酸添加によるpH低下に伴うと推察される離水が認められた。今後、グルコースおよびクエン酸濃度の組み合わせをさらに検討する必要が認められた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288128548736
  • NII論文ID
    130007479301
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_87
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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