多様性と受容性―国際的な視点から

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タイトル別名
  • Diversity & Inclusiveness — An International Perspective
  • Diversity & Inclusiveness : An International Perspective

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抄録

<p>事業成功のためには組織力の強化が必要であるが, その中でダイバーシティは1つの重要な視点である。少数意見を出しやすくする, 問題解決に向けた新たな方法を導く。そして革新的な発想を促す, といった点でダイバーシティは効果的な組織環境の構築を可能にする。すなわち「集団思考」が陥る罠の回避に役立つのである。現代のビジネス・マネジメントにおいては, ダイバーシティの強みを取り込んだ組織作りを積極的に行うことが提唱されている。欧米の国際石油企業 (IOC) はその企業が操業するさまざまな国をより深く理解して対処し, そこでの従業員のやる気を向上させるために, ダイバーシティを積極的に活用している。ダイバーシティが成功への鍵だと考えられているのである。現在, 女性や少数民族出身の従業員はこのような企業においてその数が増えているだけでなく, 成果主義に基づく昇進が可能だと感じている。インクルッシブネス (受容性) の促進は, IOCにおいてダイバーシティをうまく実施するための重要な要素である。日本におけるダイバーシティは, これまで主に政府主導で促進されてきたように思われる。石油関連の組織も含め企業はダイバーシティを将来的な企業競争力を強化する要素とみなし, さらなる一歩を踏み出す必要がある。女性や外国人採用を増やすだけでなく, 能力に基づき仕事や意思決定により深く関与させることが必要である。ダイバーシティの促進はコマーシャル・スキルの開発, 能力主義に基づく昇進, また本社と海外事業間における人的資源のさらなる融合など, 組織的な施策の一部として行なわれなくてはならない。</p>

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