わが国における子宮頸がんの一次スクリーニング法

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  • Primary screening of Japanese women for cervical cancer

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抄録

<p>目的 : わが国の子宮頸がんの一次スクリーニングの細胞診に HPV 検査を加えた際の有効性を検討する.</p><p>方法 : 今回の HPV 検査用検体は細胞診で使用した残存液状検体である. HPV の検査法は PCR 産物を電気泳動で分離する MPM テストを使用した. MPM テストは, 13 種類の hrHPV (high risk HPV の略 ; 16, 18, 31, 33, 35, 52, 58, 39, 45, 51, 56, 59, 68 型を含む) のうちわが国で子宮頸がんになりやすい 7 種類の HPV 型 (Super hrHPV と称し, Sup hrHPV と略す) をタイピングし, 残りの 6 種類の hrHPV (Other hrHPV と称す) を一括測定した.</p><p>成績 : 検診 1 年目で, ≧CIN3 を示した件数は細胞診によるより MPM テストによるほうが多く検出された. CIN3 への HPV 型の進展リスクは Sup hrHPV に含まれる HPV 型であった. 今までの文献によれば日本女性の ≧CIN3 の HPV 型はほとんどが Sup hrHPV に含まれている HPV 型である. 一方, 精検への分別時の Total hr HPV (文献上の多数の HPV 型のうち hr HPV の 13 種の HPV 型のみを Total hr HPV と称す) 中の S-hrHPV (文献上の HPV 型のうち Sup HPV に含まれる 7 種類の HPV 型を S-hrHPV と称す) の割合は 70%弱であり, 残りの 30%強は CIN3 以上に悪化していない. NILM で hrHPV が陰性となる多くの検診受検者の検診間隔は 3 年ごととする.</p><p>結論 : HPV 検査の導入による過剰診断は MPM テストの sup hrHPV を使用することで避けることができ, NILM で hrHPV が陰性となる検診受診者の検診間隔は 3 年ごとにする.</p>

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