佃煮調理におけるショウガ含有成分の変化と調味料の影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of condiments on changes in gingerols consisted in cooked ginger.
説明
<p>【目的】ショウガの辛味成分は主にジンゲロール類であり,ジンゲロールはその中でも最も存在割合が大きい。ジンゲロールは加熱や乾燥といった脱水反応によって,より辛味の強いショウガオールへと変化する。これまで,加熱調理の違いによるショウガオール生成量については,いくつかの報告がなされているが,調理時に用いられる調味料の影響については不明である。本研究ではショウガの佃煮調理における調味料添加がジンゲロールからショウガオールへの変換に及ぼす影響について検討した。</p><p>【方法】加熱時間,調味料の違いによるジンゲロール,ショウガオール含有量の変化を,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。ジンゲロールとショウガオールの同定は未知試料と標準溶液のHPLCにおけるリテンションタイムの一致により決定した。</p><p>【結果および考察】砂糖や醤油と一緒に調理する佃煮では,水煮よりもショウガオールが顕著に増加していた。加熱時間が長くなればなるほど,ジンゲロールは減少し,ショウガオールが増加する経時的変化が認められ,特に加熱2時間を超えてからの変化が著しいことが示された。さらに,佃煮に使用した調味料ごとに含有量変化を調べた結果,冷凍ショウガに対してすべての調味料でジンゲロールの減少およびショウガオールの増加が認められ,なかでもショウガオールの著しい増加には,醤油添加の寄与が大きいことが明らかとなった。一方で,ジンゲロールの減少量がそのままショウガオールの増加量とはならず,ジンゲロールからショウガオール以外の物質への変化,あるいはショウガオールから別の物質への変化が考えられた。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 31 (0), 103-, 2019
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001288157532544
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- NII論文ID
- 130007695532
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可