東京都の家庭料理 副菜の特徴

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Tokyo prefecture home cooking: side dishes

抄録

<p>【目的】平成24,25年度特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」に基づき,昭和35〜45年頃に食べられていた東京都における家庭料理について聞き書き調査を実施し,次世代に伝え継ぐ家庭料理における副菜の特徴を検討した。</p><p>【方法】東京都23区を東部(台東区),西部(世田谷・中野・杉並区),南部(品川区),北部(板橋・練馬区),都下(日野市・奥多摩町),島しょ(新島・式根島)の6地域に分け,70歳以上の都民を対象に,家庭料理を聞き書き調査した。その結果より副菜について抜出し,日常食,行事食,伝え継ぎたい副菜に分類した。</p><p>【結果および考察】全域において,季節やその土地で採れる野菜を使った料理や漬物が挙げられていた。都下(特に奥多摩町)では,山菜の「やつば」「しろざ」「ふじまき」という23区内や島しょではあまりなじみのないものが食されていた。また,海が近い23区南部や島しょでは海苔を使った副菜がみられた。汁物は23区では季節の野菜やしじみ,あさりなどの貝類を使用した味噌汁が多かったが,季節によっては澄まし汁も食していた。いもがらのおつゆや干葉の粕汁,すいとん汁,たたき汁やしいっこ汁など,地域で特徴がみられた。行事食では,おせち料理の口取り,酢の物,煮物や不祝儀で食べられる和え物,煮物が挙げられていた。伝え継ぎたい料理として煮物や和え物,漬物などで,その作り方も含めて残したいという調査対象者の意見が多かった。</p><p>一汁三菜形式を調えるために副菜は大切な料理であり,地元で取れた野菜や手作りの干し野菜などを使った料理であった。副菜になる料理は家庭の味を残したいだけでなく,漬物などを含めた保存食の作り方も伝え継いでいきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288158669568
  • NII論文ID
    130007695622
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_201
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ