ポリスチレンスルホン酸ナトリウム内服中の透析患者に発症した盲腸潰瘍出血の1例

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  • A Case of Cecal Ulcer Hemorrhage in a Hemodialysis Patient Taking Sodium Polystyrene Sulfonate

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抄録

<p>症例は41歳,男性。【既往症】Alport症候群による慢性腎不全で25年前から血液透析を受け,ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを内服していた。【現病歴】右下腹部痛,嘔吐,下痢を主訴に当院救急外来を受診した。腹部CT検査で,上行結腸憩室炎と診断され緊急入院した。抗菌薬投与による保存的加療を行い,腹痛と炎症反応の改善を認めたが,第11病日の透析後に多量の血便を認めた。大腸内視鏡での止血は困難であり,第15病日に止血目的に結腸右半切除術,横行結腸回腸二連銃式人工肛門造設術を行った。病理組織学的検査で,盲腸に30mm大,境界不明瞭な潰瘍を認め,潰瘍底に好塩基性結晶物が沈着しており,ポリスチレンスルホン酸ナトリウム関連潰瘍からの出血と診断した。慢性腎不全患者の消化管障害は内服歴の確認を行い,本疾患を鑑別にあげる必要があると考えられた。</p>

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