心理検査体験の侵襲性と治療的機能
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- 依田 尚也
- 学習院大学文学部心理学科
書誌事項
- タイトル別名
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- Invasiveness and Therapeutic Functions of Experiencing Psychological Tests: Focused on the Images Created by the Rorschach Test
- ロールシャッハ・テストにおいて生じたイメージに着目して
抄録
<p>心理臨床の現場では,心理療法の導入前に心理検査が実施され,そのテストバッテリーにロールシャッハ・テストが含まれることは少なくない。ロールシャッハ・テストは,時には侵襲的なイメージをクライエントに喚起させる可能性がある。本稿では,ロールシャッハ・テストにおいて非常に侵襲的なイメージが生じ,その後に心理療法へと発展した一事例をもとに,心理検査体験において生じたイメージの持つ侵襲性と治療的機能の両義的側面について論を深めることを目的とした。本事例では,ロールシャッハ・テストにおいて生じた非常に侵襲的なイメージが検査者との間で共有されたが,これが後の心理療法過程において核となった。心理検査体験は,クライエントの傷つきを曝し,心理的な痛みをもたらすと同時に,その傷つきや痛みを検査者との間で共有することができ,後の心理療法を展開させうると考えられた。</p>
収録刊行物
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- 箱庭療法学研究
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箱庭療法学研究 32 (3), 43-53, 2020
日本箱庭療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390003825185518976
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- NII論文ID
- 130007852158
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- ISSN
- 2186117X
- 09163662
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可