新規開発したLC-MS/MS法を用いた魚に含まれる有機ヒ素化合物の分析

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タイトル別名
  • Analysis of Organoarsenic Compounds Concentration in Fish with the Newly Developed LC-MS/MS Method
  • シンキ カイハツ シタ LC-MS/MSホウ オ モチイタ サカナ ニ フクマレル ユウキ ヒソ カゴウブツ ノ ブンセキ

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抄録

<p>多くの魚に複数の種類の有機ヒ素化合物が含まれているが,化学形態ごとに毒性が異なることから,長期摂取による健康影響のリスクを評価するためには,形態別に濃度を定量する必要がある.本研究では,魚中のモノメチルアルソン酸(MMA),ジメチルアルシン酸(DMA),トリメチルアルシンオキサイド(TMAO),テトラメチルアルソニウム(TeMA),アルセノベタイン(AB),アルセノコリン(AC)を対象としたLC-MS/MSによる分析法を開発し,妥当性を確認した.また,福岡市内に流通する魚10種(計50試料)について総ヒ素濃度および各有機ヒ素化合物濃度を調査した.その結果,総ヒ素はすべての試料から0.53~25 mg/kgの範囲で検出され,カワハギからは8.3~25 mg/kgの範囲で検出された.イワシを除く9種においては,総ヒ素濃度に占める各化合物濃度のうち,AB濃度の割合が最も高かったが,イワシにおいてはAB濃度よりDMA濃度の割合が高く,総ヒ素濃度のうち16~24%を占めていた.養殖マダイにおける総ヒ素,ABおよびACの濃度は天然マダイより低かった.</p>

収録刊行物

  • 食品衛生学雑誌

    食品衛生学雑誌 61 (3), 86-94, 2020-06-25

    公益社団法人 日本食品衛生学会

参考文献 (10)*注記

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