レンバチニブ治療中に腫瘍内出血を経て後腹膜出血をきたした肝細胞癌右副腎転移の一例

書誌事項

タイトル別名
  • Retroperitoneal hemorrhage of adrenal metastasis from hepatocellular carcinoma during lenvatinib treatment
  • 症例報告 レンバチニブ治療中に腫瘍内出血を経て後腹膜出血をきたした肝細胞癌右副腎転移の一例
  • ショウレイ ホウコク レンバチニブ チリョウ チュウ ニ シュヨウ ナイシュッケツ オ ヘテ アトバラマク シュッケツ オ キタシタ カン サイボウ ガン ミギ フクジン テンイ ノ イチレイ

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抄録

<p>症例は72歳女性.C型肝硬変を背景とする肝細胞癌,多発肺転移,右副腎転移に対してレンバチニブ8 mgで治療した.治療6週目のCTでは,SDと判断しレンバチニブ8 mgを継続した.治療10週目に有害事象によりレンバチニブを1週間休薬し,4 mgに減量して再開した.治療12週目のCTでは,PDと判断しレンバチニブを中止した.その2日後に突然の右季肋部痛と背部痛を訴え,右副腎転移巣破裂による後腹膜出血と診断し,緊急血管造影で右下横隔膜動脈を塞栓し止血を得た.後方視的に見直すと,治療6週目のCTでは,右副腎転移巣の造影効果が低下したが,腫瘍の一部は尾側に増大し,周囲に拡張した血管を認めた.治療12週目のCTでは,辺縁の腫瘍は増大し,尾側の腫瘍内に出血を認めていた.レンバチニブ治療中にHCC副腎転移から出血をきたした報告はこれまでになく,腫瘍内出血を経て後腹膜出血を来した興味深い症例のため報告する.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 61 (11), 588-596, 2020-11-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (28)*注記

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