HER2陽性乳腺扁平上皮癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of HER2-positive Squamous Cell Carcinoma of the Breast
  • 症例 HER2陽性乳腺扁平上皮癌の1例
  • ショウレイ HER2 ヨウセイ ニュウセン ヘンペイ ジョウヒ ガン ノ 1レイ

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抄録

<p>乳腺扁平上皮癌(以下,SCC)は乳癌の特殊型に分類される稀な疾患である.今回,腹腔内リンパ節転移から多彩な臨床症状を呈し予後不良であったHER2陽性SCCの1例を経験したので報告する.症例は55歳の女性.乳癌検診異常にて受診し,乳房超音波検査で左乳房CE領域に境界不明瞭な1cm大の低エコー腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診にて悪性と診断された.CTでは左腋窩リンパ節の著明な腫脹,癒合を認め,明らかな遠隔転移は認めなかった.左乳癌,cT1N2aM0の術前診断にて左乳房全摘術+腋窩郭清を施行した.術後病理組織学的検査はSCC,ER:陰性,PgR:陰性,HER2:陽性の結果であり,HER2陽性SCCと診断した.術後に多発骨転移,傍大動脈リンパ節転移を認め,術後36カ月で原病死となった.HER2陽性SCCは非常に稀で,予後不良な経過となる可能性があり,慎重な経過観察が必要であると考えられた.</p>

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