<i>Trisamayarājatantra-ṭīkā</i>初探

書誌事項

タイトル別名
  • A Preliminary Study of the <i>Trisamayarājatantra-ṭīkā</i>
  • Trisamayarajatantra-tika初探 : 『大日経』『金剛頂経』からの引用を中心に
  • Trisamayarajatantra-tika ハツタン : 『 ダイニチキョウ 』 『 コンゴウチョウケイ 』 カラ ノ インヨウ オ チュウシン ニ
  • ―『大日経』『金剛頂経』からの引用を中心に―

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抄録

<p> ネパール国立公文書館National Archives所蔵のサンスクリット語文献Trisamayarājatantra-ṭīkā (Pan-20) は、34葉からなる貝葉写本である。しかし母タントラ系の注釈書Ḍākinīvajrapañjarapañjikā tattvaviṣadā (P) とチャクラサンヴァラ系の儀軌 (S) が混入しているため、本来のTrisamayarājatantra-ṭīkā(T) は14葉に過ぎないことが判明した。本文献は『チベット大蔵経』に収録される初期密教聖典、Trisamayavyūharāja-tantra(北京No.134)の註釈と考えられる。しかし本文を逐語的に註している箇所がある反面、数章に亘って対応しない部分もあり、『チベット大蔵経』収録の北京No.134と本文献では、タントラの本文が異なっていた可能性がある。さらにテキスト解読の過程で、『大日経』、『金剛頂瑜伽中略出念誦経』、『金剛頂経瑜伽十八会指帰』の第十会「大三昧耶瑜伽」など、サンスクリット原典が発見されていない中期密教聖典からの貴重な引用が存在することが判明した。とくに『大日経』「三三昧耶品」では、全体の半分弱に当たる原文が回収できることは貴重である。</p>

収録刊行物

  • 智山学報

    智山学報 69 (0), 0001-0015, 2020

    智山勧学会

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