尋常性乾癬患者に発症した二次性膜性腎症の1例

  • 谷口 幸裕
    彩の国東大宮メディカルセンター, 内科
  • 齋藤 永一郎
    仙台市立病院, 内科
  • 及川 浩樹
    岩手医科大学医学部,病理学講座機能病態学分野
  • 田中 文隆
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 渡邊 収司
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 及川 寛太
    岩手医科大学医学部,病理学講座機能病態学分野
  • 赤坂 祐一郎
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 松浦 佑樹
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 野田 晴也
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 旭  浩一
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case of secondary membranous nephropathy in a patient with psoriasis vulgaris
  • ジンジョウセイカンセンカンジャ ニ ハッショウ シタ ニジセイマクセイジンショウ ノ 1レイ

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説明

症例は60代の男性.10年前に尋常性乾癬と診断され,紫外線療法とステロイド外用での治療が開始された.2年前に下肢の浮腫が出現するもループ利尿薬にて軽快した.2ヵ月前に下肢の浮腫が再発したため, 精査目的で当院に紹介となった.入院時検査所見でネフローゼ症候群と診断された. 抗核抗体, リウマトイド因子は陰性で,補体の低下を認めないことから, 膠原病は否定的であった.B型およびC型肝炎ウイルス感染も認めなかった.腎生検で二次性膜性腎症と診断された.二次性膜性腎症の病因として自己免疫疾患, ウイルス性肝炎, 悪性腫瘍が知られているため,更に消化管内視鏡検査と胸部~骨盤部にかけての単純CT検査が行われたが,腫瘍性病変を認めなかった.稀ではあるが,尋常性乾癬との関連が示唆される膜性腎症例が報告されていることから,本例は尋常性乾癬を病因とする二次性膜性腎症と考えられた.

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