マウス食餌性非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルの線維化におけるSox9の関与に関する研究

DOI
  • 中根 冴
    東京農業大学大学院応用生物科学研究科食品安全健康学専攻
  • 煙山 紀子
    東京農業大学応用生物学部食品安全健康学科
  • 阿部 有加里
    東京農業大学大学院農学研究科食品安全健康学専攻
  • 結城 恵美
    東京農業大学大学院農学研究科食品安全健康学専攻 アドバンテック株式会社病理委託事業部
  • 宇野 絹子
    東京農業大学大学院農学研究科食品栄養学専攻
  • 小川 秀治
    東京農業大学大学院農学研究科食品栄養学専攻
  • 佐野 龍平
    東京農業大学大学院農学研究科食品栄養学専攻
  • 渡辺 厚
    東京農業大学大学院農学研究科食品栄養学専攻
  • 高須 伸二
    国立医薬品食品衛生研究所 病理部
  • 梅村 隆志
    国立医薬品食品衛生研究所 病理部 ヤマザキ動物看護大学動物看護学部動物看護学科
  • 美谷島 克宏
    東京農業大学大学院応用生物科学研究科食品安全健康学専攻 東京農業大学応用生物学部食品安全健康学科 東京農業大学大学院農学研究科食品安全健康学専攻 東京農業大学大学院農学研究科食品栄養学専攻
  • 中江 大
    東京農業大学大学院応用生物科学研究科食品安全健康学専攻 東京農業大学応用生物学部食品安全健康学科 東京農業大学大学院農学研究科食品安全健康学専攻 東京農業大学大学院農学研究科食品栄養学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Involvement of Sox9 in liver fibrosis of non-alcoholic steatohepatitis (NASH) dietarily induced in mice

抄録

<p>【背景・目的】細胆管に類似した胆管の増生である細胆管反応は肝臓の線維化を誘導する可能性を示唆されているが、線維化が細胆管反応の原因か結果か、もしくはその両者であるのかは未だ明らかになっていない。本研究は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に着目し、その部分症である線維化が細胆管反応によって誘導されるかどうかを明らかにすることを目的とし、細胆管で発現が明らかとなっているSRY-box9(Sox9)をマーカーとして、NASH動物モデルにおけるその発現の経時的変化を解析した。</p><p>【方法】実験は、6週齢のC57/BL6J系雄性マウスに基礎食(脂質13 kcal%、メチオニン0.44%)・コリン欠乏メチオニン低減高脂肪アミノ酸食(CDAHFD)Met 0.1%(脂質45 kcal%、メチオニン0.1%)を3・7・14日間投与した群と、基礎食・CDAHFD Met 0.1%・CDAHFD Met 0.6%(脂質45 kcal%、メチオニン0.6%)を13週間投与した群から採取した肝臓について、Sox9の発現を病理組織学的検査および遺伝子発現解析にて調査した。</p><p>【結果】CDAHFD Met 0.1%の3・7日間投与群の肝では、脂肪化を観察したが、線維化がなく、胆管上皮以外でのSox9の発現も認めなかった。14日間投与群では、脂肪化が著明で、軽度の線維化および胆管上皮以外でのSox9の発現を認めた。13週間投与群では、線維化の進行と、Sox9の顕著かつびまん性の発現を認めた。一方、CDAHFD Met 0.6 %群の肝では、脂肪化とSox9の軽微な発現を観察したが、線維化を認めなかった。Sox9の遺伝子発現は、CDAHFD Met 0.1%の13週間投与群で上昇した。</p><p>【結論】Sox9は、肝に明らかな線維化が起こる前に発現細胞が増加したことから、NASH線維化の結果でなく、その発生前あるいは発生と同時に発現し、線維化の発生・進展に関与する可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390007536268344448
  • NII論文ID
    130008073832
  • DOI
    10.14869/toxpt.48.1.0_p-50s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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