液体クロマトグラフ-質量分析法による血漿中の内因性物質濃度を指標としたカニクイザル個体のチトクロムP450 3A表現型解析

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Phenotyping of cytochrome P450 3A enzymes in individual cynomolgus monkeys by endogenous compounds in plasma determined by liquid chromatography-mass spectrometry

抄録

<p>チトクロムP450(CYP)3Aはヒト肝臓中の総CYPの約30%を占め,低分子医薬品の約50%の代謝に関与することが知られている。薬物によるCYP3Aの誘導又は阻害は,重大な薬物相互作用(DDI)を引き起こすため,新薬の開発段階においてはin vitro及び臨床DDI試験が実施される。臨床DDI試験では開発候補品の他,ミダゾラム等のCYPプローブ薬投与試験も実施して,これらを比較検討する必要がある。近年,内因性物質である4β-水酸化コレステロール(4β-OH-CHO)及び6β-水酸化コルチゾール(6β-OH-COR)がCYP3Aのバイオマーカーとして認識され,リファンピシン投与による血漿中4β-OH-CHO濃度の上昇及びクラリスロマイシン投与による血漿中6β-OH-COR濃度の低下が報告されている。進化系統樹においてヒトに近いカニクイザル(サル)は,安全性試験,薬物動態試験等の非臨床試験に用いられ,サルにおいても,リファンピシン投与により血漿中4β-OH-CHO濃度の上昇がみられ,CYP3Aの誘導が確認されている。しかし,6β-OH-CORを指標としたCYP3A阻害に関する情報は得られていない。サルを用いたDDI評価方法の確立を目的に,本研究ではサル血漿中4β-OH-CHO,コレステロール,6β-OH-COR及びコルチゾール濃度の測定法に関する検討を行った。安定同位体標識化合物を内標準とし,前処理後サル血漿をLC-MS/MSを用いて測定した。複数の水酸化コレステロール及び水酸化コルチゾールの異性体分離を達成できる分析条件を設定した。分析法バリデーションでは検量線及び分析単位内再現性を実施し,いずれも良好な結果が得られた。本分析法を用いて,個体別サル血漿中CYP3Aの内因性バイオマーカーに関する情報を紹介し,本評価方法に関する基礎的な情報について考察する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390007536269464192
  • NII論文ID
    130008073706
  • DOI
    10.14869/toxpt.48.1.0_p-142
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ