女子中学生のいじめにおける擁護行動プロセス

書誌事項

タイトル別名
  • Process of defending behavior against the bullying of junior high school girls
  • 女子中学生のいじめにおける擁護行動プロセス : 大学生を対象とした振返り調査より
  • ジョシ チュウガクセイ ノ イジメ ニ オケル ヨウゴ コウドウ プロセス : ダイガクセイ オ タイショウ ト シタ フリカエリ チョウサ ヨリ
  • -Based on a retrospective survey of college students-
  • ―大学生を対象とした振返り調査より―

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抄録

<p> 女子中学生のいじめにおける擁護行動プロセスを明らかにすることを目的とし、10名の女子大学生に半構造化面接を行いM-GTAにより分析した。</p><p> その結果、カテゴリー7個、サブカテゴリー2個、概念16個を生成した。擁護行動プロセスは、《いじめに気づく》ことからはじまり、次に〈立ちすくむ〉状態と〈現状を変えたい〉との《揺れる心》を抱きつつ《人間関係の確認》に至る。実際のいじめ場面では【被害者を案じて声をかける】【加害者をたしなめる】【教員に伝える】等の《行動をする》。行動後には【被害者のためになれてよかった】と【自分の行動をくやむ】から成る《アンビバレントな思い》を抱え、《支援者の存在》は《揺れる心》《人間関係の確認》《行動をする》に影響を与え、プロセスが前進したり停滞したりする。さらに、プロセス全体に影響を与える《根底に抱き続ける思い》として【自分はいじめられないだろう】と【自分もいじめられるかもしれない】を抱くことが明らかとなった。</p><p> プロセスの明確化により、擁護者は他の擁護者の存在を観察することにより擁護行動が促進される心理が働くことが示唆された。また、擁護行動をとる子供への支援には身の安全の確保と早急な対応が不可欠であり、肯定的かつ支持的なフィードバックの継続が必要である。さらに、いじめの感受性を高める日常的指導と子供自身がいじめ抑止行動をとるための実践的なスキル学習の重要性が明らかとなった。</p>

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