喉頭癌症例の世代別検討―壮年者, 前期高齢者, 後期高齢者の比較―

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タイトル別名
  • Generational Study of Laryngeal Cancer Cases―Comparison of Middle-Aged, Early-Stage Elderly and Late-Stage Elderly Patients―
  • コウトウ ガン ショウレイ ノ セダイ ベツ ケントウ : ソウネンシャ,ゼンキ コウレイシャ,コウキ コウレイシャ ノ ヒカク

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抄録

<p> 喉頭癌患者の世代別の臨床像と治療法について比較検討を行った. 1999~2017年までに大阪医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科で初回治療を行った喉頭癌400例を対象とし, 64歳以下を壮年者, 65歳以上74歳以下を前期高齢者, 75歳以上を後期高齢者と定義した. それら3群で臨床像 (病期, 治療方針, 治療成績) を比較した. さらに前半200例と後半200例を比較した. 声門癌では病期に世代差は認めず, 声門上癌では壮年者において, N+ 症例が有意に多かった. 声門癌, 声門上癌ともに後期高齢者で RT 単独例が多かった. 治療成績は世代差を認めなかった. BSC 症例は前期高齢者以降で有意に多くなり, 男性より女性に多かった. 前半200例より後半200例では平均年齢が3.1歳上昇していた. 治療方針において, 壮年者では喉頭全摘から CDDPRT に移行し, 後期高齢者では変わらず RT 単独が最も多く, 喉頭全摘が減少した. しかし, 前半200例と後半200例ではほぼ同等の生存曲線であった. 喉頭癌患者の平均年齢が上昇し, 全世代で喉頭温存を重視する治療方針に変化していた. しかし, 疾患特異的生存率に変化は見られなかった. 高齢がん患者の健康状態はさまざまであるため, 病期だけでなく, 全身状態を見定めて, BSC も含めた治療方針を決定していく必要がある.</p>

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参考文献 (10)*注記

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