ダイコン中の種々の成分のみかけの拡散係数

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  • Apparent diffusion coefficient of various components in radish

抄録

<p>【目的】調理品を適度な味付けの状態に仕上げるためには、食材への味のしみ込み方を理解する必要がある。一般的に分子量が大きいほど拡散係数は小さく、拡散しにくいと言われている。しかし、拡散物質の分子量と食材中の拡散係数の関係を調べた研究はみられない。そこで、本研究ではダイコンを用いて呈味成分および食品添加物として用いられる種々の成分の拡散係数を測定した。</p><p>【方法】試料は青首大根中央部とし、2 ㎝角に成型して用いた。拡散物質として塩化ナトリウム(分子量:58.44)、クエン酸三ナトリウム(258.07)、コハク酸二ナトリウム(162.05, 以下DS)、酢酸ナトリウム(82.03, 以下SA)、酢酸(60.05)、グルタミン酸一ナトリウム(169.11, 以下MSG)、グリシン(75.07, 以下Gly)を用いた。それぞれ0.1 Mの溶液を調製し、沸騰水中で12分間加熱して細胞膜処理した試料を20℃で所定の時間浸漬し、試料中の濃度を測定した。さらに、三次元拡散方程式に基づくプログラム計算により拡散係数を算出した。</p><p>【結果】20℃におけるダイコン中のみかけの拡散係数は、0.44×10-5〜1.02×10-5 cm2/sの範囲で拡散物質の分子量が大きいほど小さくなる傾向にあった。しかし、MSGとGlyは分子量が同程度であるDSとSAに比べてそれぞれ有意に小さかった。また、分子量と拡散係数の両対数プロットは直線関係が認められたが、MSGとGlyはこの直線から外れた。よって、アミノ酸系成分はダイコン中で他成分に比べて拡散しにくいことが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390007827784762496
  • NII論文ID
    130008085555
  • DOI
    10.11402/ajscs.32.0_13
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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