各種チーズ中の環状ジペプチドの定量

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Determination of cyclic dipeptides in various types of cheeses

この論文をさがす

抄録

<p> 2,5-ジケトピペラジン(DKPs)骨格を有する環状ジペプチドは,さまざま発酵食品や焙焼食品に含まれており,呈味成分,及び機能性成分として報告されてきた。しかし,代表的な発酵食品であるチーズ中におけるDKPの研究例はほとんどない。そこで本研究では,各種チーズ中のDKP(42種類)を定量するとともに,製造工程との関連について調べた。測定の結果,熟成を伴うチーズ(セミハード,ハード,白カビ,青カビ,白・青カビのハイブリッド,ウォッシュタイプ)が未熟成チーズ(モッツァレラチーズ)と比べ,高いDKP含量を示すことを明らかとした。また,熟成チーズには豊富な種類のDKPが含まれていたのに対して,モッツァレラチーズ中で検出されたDKPはcyclo(-Arg-Pro)のみであった。さらに,熟成期間の異なるゴーダチーズ中のDKPの定量を行った結果,含量,種類ともに熟成に伴い増加した。熟成中のタンパク質分解の指標として測定したアミノ基量も,同様に増加していた。この結果より,チーズのDKP含量と種類は熟成工程の影響を受けることが判明した。また,各種カゼイン(αs1,αs2,β,κ)の一次構造とチーズ中で検出されたDKPの構成アミノ酸の比較を行った結果,チーズ中で検出されたDKP25種類のうち,23種類がカゼインの一次構造と一致した。このことから,チーズ中に含まれるDKPの大部分はカゼインに由来することが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ