下水処理場における窒素由来のエネルギーポテンシャルの試算とその利用に関する考察

  • 小島 啓輔
    清水建設株式会社 技術研究所 企画部
  • 加藤 雄大
    清水建設株式会社 技術研究所 環境基盤技術センター
  • 隅倉 光博
    清水建設株式会社 技術研究所 環境基盤技術センター
  • 川本 徹
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 材料・化学領域 ナノ材料研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of Nitrogen-Derived Energy Potential in Sewage Treatment Plants and Its Use
  • ゲスイ ショリジョウ ニ オケル チッソ ユライ ノ エネルギーポテンシャル ノ シサン ト ソノ リヨウ ニ カンスル コウサツ

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説明

<p> 新たなエネルギー源として,下水処理場に流入する窒素成分に注目した。そこで,下水道統計(平成29年(2017年)度版)をもとに,下水処理場における窒素収支を調査した結果,約48.4万t-N/年の窒素成分が流入しており,この窒素成分を資源化(アンモニア化(=約58.8万t-NH3/年))した場合には,約36.8億kWh/年のエネルギーポテンシャルが存在していることが示された。このエネルギー量は,下水処理場(汚泥処理場やポンプ場を除く)での使用電力量(約64.4億kWh/年)の約57.1%に相当するものであり,下水処理場に流入する窒素由来のエネルギーを活用する意義は大きいと考えられた。しかしながら,下水処理場に流入する全ての窒素を有効利用することは現状困難であるため,下水処理場における窒素由来のエネルギーを効率よく回収し利用するためには,窒素成分が集約している汚泥を対象とし,さらに汚泥の固形分中に存在する窒素成分を回収することが重要であることが示された。</p>

収録刊行物

  • 下水道協会誌

    下水道協会誌 58 (708), 78-87, 2021-10-01

    公益社団法人 日本下水道協会

被引用文献 (2)*注記

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