靭帯再生を目指した脱細胞化膜状組織によるin vitro組織再構築

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タイトル別名
  • In vitro reconstruction of ligament-like tissue using decellularized membrane

抄録

<p>我が国における要支援・要介護になる原因の約25%は運動器の障害であり、健康寿命の延伸のためには運動器機能維持が大きな課題である。近年、腱・靭帯に対する再生が期待されており、組織工学的手法や細胞治療などが試みられている。そのひとつとして、生体組織から細胞成分を除去した細胞外マトリックスである脱細胞化腱・靭帯が、代替組織として検討されている。良好な機械的特性を示すものの、高密度の繊維組織から構成されているため組織の内部への再細胞化が困難な場合が多い。そこで、我々は膜状の脱細胞化ブタ心膜表面を再細胞化し、立体成型することで細胞を均一に有した組織の立体構築を目指しており、本研究では、脱細胞化ブタ心膜への種々の筋骨格系細胞の再細胞化および立体組織化について検討した。得られた脱細胞化心膜への細胞播種では、脱細胞化心膜表面の繊維に沿った高い配向度での接着が観察され、その配向性を維持しながら増殖することが明らかとなった。また、立体成型時における脱落等は認められなかった。腱や靭帯では、細胞は組織の繊維配向に沿って存在している事が知られており、今回明らかとなった再細胞化および配向性を維持した増殖の点においては、脱細胞化心膜が腱・靭帯の代替組織として使用できる可能性が示唆された。しかしながら、組織中心部の細胞は培養法や期間により減少し、さらなる検討が必要と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 469-469, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008290063886592
  • NII論文ID
    130008105384
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.469
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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