3次元スフェロイド培養による骨細胞分化誘導の研究

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タイトル別名
  • Study of osteocyte differentiation triggered by 3D spheroid culture

抄録

<p>骨代謝の司令塔である骨細胞の分化に関する研究において、培養ディッシュ上で二次元的な長期培養による研究が主に行われてきた。この方法により、様々な知見が得られてきたが、これらはin vivoにおける三次元環境とは異なる環境における細胞の挙動を考察したものである。単離された骨細胞は、in vitroにおいてその特性を長時間維持することができないため、新たな骨細胞のin vitro実験モデルの確立が望まれる。本研究では、超低接着表面培養プレートにマウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)を培養して三次元スフェロイドを作製した。その結果、従来の二次元培養に比べ、スフェロイドモデルでは、分化誘導因子の無い状態においても、骨細胞マーカーの遺伝子発現が二日間で大きく上昇することが明らかになった。また、マウス前駆軟骨細胞(ATDC5)により作製されたスフェロイドにおいても、骨細胞マーカーが大きく上昇することが初めて確認された。さらに、細胞が三次元培養環境を失うことにより、上昇した骨細胞マーカーは二次元培養のレベルまで減少することが明らかになった。これらから、骨発生過程の骨細胞の前駆細胞である軟骨細胞や骨芽細胞において、三次元培養法による細胞凝集状態が骨細胞分化に重要な鍵となることが示された。これらのスフェロイドモデルは、in vitroで骨細胞を再現するモデルとしての活用が期待される。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 467-467, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008290064710272
  • NII論文ID
    130008105366
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.467
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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