発芽にんにくを原料とした黒にんにくの水溶性含硫化合物含量

  • 藤川 護
    香川県産業技術センター発酵食品研究所 愛媛大学大学院連合農学研究科
  • 田村 啓敏
    愛媛大学大学院連合農学研究科 香川大学大学院農学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Germination Treatment on the Water-soluble Sulfur Content of Black Garlic
  • ハツガニンニク オ ゲンリョウ ト シタ クロニンニク ノ スイヨウセイ ガンリュウカゴウブツ ガンリョウ

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抄録

<p>発芽にんにくを70 °C,14日間加温することにより黒にんにく中の機能性成分であるシクロアリイン含量は1100 mg/100 g(dry wt.)となり,加工前のニンニクの約2.6倍,同様の加温処理を施した生ニンニクの約1.6倍に増加した.これは発芽処理によりシクロアリインの前駆物質であるイソアリインが増加し,続く加温処理によりシクロアリインへ変換したことに由来すると考えられた.また,発芽処理の有無による黒にんにくの代表的な機能性成分であるS-アリル-L-システインへの影響はなかった.一方,刺激臭であるアリシンの前駆物質であるアリインは減少していることから,風味改善効果が期待できる.これまでは3 °Cで12週間保存後に加温処理を施すことでシクロアリインが増加することが報告されていたが,本手法では1週間の発芽処理後に加温処理を施すことで同等の効果が得られることが判明した.従って,発芽にんにくを用いる黒にんにくの製法は,シクロアリインを有意に増加させ,さらに従来法よりも迅速,簡便かつ安価な手法であると結論づけた.</p>

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参考文献 (19)*注記

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