カーバメート系農薬メソミルが混入された栄養ドリンク剤の飲用による中毒の一例

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タイトル別名
  • A Case of Poisoning in a Man who Drank a Nutrition Supplement Containing Methomyl, A Carbamate Pesticide
  • Case Report: A Case of Poisoning in a Man who Drank a Nutrition Supplement Containing Methomyl, A Carbamate Pesticide

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説明

30m1容量の栄養ドリンク剤を飲用した50歳男性が胸苦しさ,発汗,吐き気を訴え急患として搬送された.入院時の検査で縮瞳と血清コリンエステラーゼ活性の低下が認められたため農薬中毒を疑い,飲み残しのドリンク剤と患者の血清および尿について分析を行った.ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)による薬毒物スクリーニングで飲み残し液からカーバメート系農薬メソミルが検出され,その濃度は液体クロマトグラフィーによる定量分析で2.1mg/mlであった.さらに患者の血清および尿中の微量のメソミルをオキシム体に変換後誘導体化することでGC/MSで定量した.飲用から6時間後の血清中メソミル濃度は0.63μg/ml,7~20時間後の尿中濃度は0.10,μg/mlであった.これらの数値は摂取致死量といわれる12~15mg/kg,過去の中毒死の平均血液中濃度25.6μg/mlのいずれよりもかなり低い値であり,メソミルの混入量は中毒レベルであることが判明した.

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