米飯の老化(第3報) : 長期貯蔵古米飯の粘着度

書誌事項

タイトル別名
  • Retrogradation of Cooked Rice (Part 3) : The Effect of Long Storage on Adhesiveness of Rice after Cooking
  • 米飯の老化-3-長期貯蔵古米飯の粘着度
  • ベイハン ノ ロウカ 3 チョウキ チョゾウ コ ベイハン ノ ネンチャクド

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説明

米飯の粘着度および老化に及ぼす米の古米化の影響を明確に把握する目的で,とくに長期間(7年間)にわたって貯蔵した精白米を用いて炊飯した飯を対象として,飯粒の粘着度およびその経時的変化を測定し,前報における新米飯の場合と比較して検討を行なった。あわせて,炊飯による釜ぶえについても検討を加えた。得られた結果の大要はつぎのとおりである。(1)ウルチ米飯 長期貯蔵古米飯の粘着度は新米飯に比べて極端に小であり(炊飯直後においておよそ1/10~1/30),貯蔵期間が長期に及ぶことの影響は非常に大きい。炊飯後,粘着度はしだいに低下していくが,初期において急速である。また粘着度の低下は保存温度が低いほうが速やかである。炊飯時加水量したがって水分含量の大なる飯ほど粘着度は大である。低温保存の場合には水分含量の大なる飯のほうが粘着度の低下率が小である傾向が認められるが,室温保存の場合には水分含量と低下率のあいだに一定の傾向がみられない。(2)モチ米飯 長期貯蔵古米飯の粘着度ほ新米飯に対しかなり小であるが(炊飯直後において約2/3),ウルチ米の場合に比べると変化の度合ははるかに少なく,モチ米は貯蔵による影響を受けにくいと考えられる。炊飯後における粘着度の低下は,低温保存の場合は室温保存の場合に比べてきわめて速やかである。低温保存の場合,長期貯蔵古米飯の粘着度の低下率は新米飯のそれに比べてかなり大である。(3)釜ぶえ ウルチ米の場合,新米,長期貯蔵古米のいずれも,炊飯時加水量の増加とともに釜ぶえが大となるが,新米と長期貯蔵古米とのあいだには差が認められない。モチ米の釜ぶえはウルチ米と同程度である。

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identifier:KJ00004009915

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