職業とパーソナリティ研究の主要概念と交互作用効果

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Core Concepts and Reciprocal Effects in Work and Personality Studies
  • ショクギョウ ト パーソナリティ ケンキュウ ノ シュヨウ ガイネン ト コウゴ サヨウ コウカ

この論文をさがす

説明

本稿は、Melvin L. Kohn とCarmi Schooler を中心とする職業とパーソナリティ研究を紹介するものである。職業とパーソナリティ研究とは、アメリカにおける長期的パネル調査と、アメリカ、ポーランド、日本、ウクライナにおける国際比較務査による一連の研究を指している。本稿では、アメリカの第ニ波調査まで取り上げる。まず、初期の代表的著作である、Class and Conformity(Kohn[1969]1977)から、職業とパーソナリティ研究の生まれた経緯を概説する。この著作において、Kohn は、階級・階層が職業の諸条件を決定し、その職業の諸条件が人びとのパーソナリティに影響を及ぼす、と主張した。これを本稿ではClass and Conformity仮説と呼び、職業とパーソナリティ研究の主要概念と基本的な分析視座を提示したものと位置づけた。この仮説は、Work and Personality (Kohn and Schooler 1983)において継続され、発展する。ここで、職業とパーソナリティの因果関係が、一方向から双方向へと捉えなおされたのである。つまり、職業とパーソナリティの間には交互作用効果が存在する。これを本稿では、Work and Personality仮説と呼んだ。この仮説は女性、余暇、家事といった領域へと拡張されていき、彼らのその後の研究における仮説の一般化という流れを方向づけた。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 26 1-18, 2005-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ