再生可能エネルギー事業の社会的普及と信用力スキーム

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タイトル別名
  • The development of Renewable Energy projects and the Credibility scheme
  • サイセイ カノウ エネルギー ジギョウ ノ シャカイテキ フキュウ ト シンヨウリョク スキーム

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抄録

和文:本稿は、再生可能エネルギー (RE) 事業分野において、中小事業者と地域金融機関のあいだでの信用を創出する方法を、「信用力スキーム」を鍵概念としながら模索していくものである。信用力スキームは、事業者の信用力の形成を、事業者だけでなく、金融機関の能力や政府・自治体による支援制度などとの結びつきによって捉える枠組みである。RE 事業の展開は、 地方の内発的発展を促すものとして期待されており、これに沿ったうごきも現れているが、地方独自の取り組みを促進するためのさらなる仕掛けが必要な状況にある。本稿では、与信能力の向上など、地方金融機関独自の取り組みを制約している構造を戦後の金融体制から探ったうえで、デューデリジェンス機関が積極的に活動しているドイツの事情を参考にしながら、事業者でも金融機関でもない「第3の存在」が信用力スキームの活性化において重要な役割を果たしていることに注目する。そして、日本で「第3の存在」としての活動が期待される組織として各地の信用保証協会を取り上げ、2012年に実施されたアンケート調査の回答をもとに、信用保証協会におけるRE事業への取り組み状況を分析する。調査結果の分析からは、信用保証協会の取り組みが受動的な傾向にあることが指摘される。地方金融機関によるABL(動産融資担保)を活用した取り組みや、 自治体による支援の取り組みもみられるが、内発的発展と結びついたRE事業が広く展開されていくためには、信用保証協会によるより積極的な取り組みが必要であると考えられる。

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