テニス選手に対するメンタルトレーニングの実施と効用性

書誌事項

タイトル別名
  • Application and Effect of Mental Training on Tennis Athletes
  • テニスセンシュニタイスルメンタルトレーニングノジッシトコウヨウセイ
  • 研究資料 テニス選手に対するメンタルトレーニングの実施と効用性
  • ケンキュウ シリョウ テニス センシュ ニ タイスル メンタルトレーニング ノ ジッシ ト コウヨウセイ

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説明

高校テニス部員6名を対象にして,自律訓練とイメージトレーニングを用いたメンタルトレーニングを週2 回,約3ヵ月間実施しその効用性を検討した。結果は次のとおりである。 1.心理的競技能力はトレーニング後にすべて向上し,忍耐力,勝利意欲,自己コントロール,リラックス, 集中力,自信の尺度で1%水準の有意な変化がみられた。決断力および予測力においては10%水準の有 意傾向がみられた。また,総合得点においても顕著な向上が見られた。2.特性不安はトレーニング後に減少した。トレーニ ング後にすべての因子で得点が減少し,勝敗の認知的不安の因子で有意な変化がみられた。また,有意 差はみられなかったが,動作緊張傾向,競技意欲の低下,自信喪失の各因子で不安の減少傾向がみられた。 3.競技状態不安は,トレーニング実施前の大会では試合が近づくにつれて認知的不安,身体的緊張が高く,自信が低い状態で出場しているが,トレーニン グ実施後の大会では大会当日には認知的不安,身体的緊張が多少高まるが,自信とともに比較的安定し た状態で試合に出場していることがわかった。4.試合中の実力発輝度では,トレーニング前の試合 では自分の実力を発揮できたものが2名であったのに対し,トレーニング後の試合では実力を発揮できたものが5名に増加した。 5.内省報告から,メンタルトレーニングは試合前の睡眠や緊張感の減少,試合中のリラクゼーション,冷静さ,落ち着き,集中力,そして,試合に自信を もって出場できる心理的に良好な状態を作り出すのに有効に働いたことが推測された。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 22 183-190, 2000-02-10

    九州大学健康科学センター

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