<論説>西晋時代の諸葛孔明観

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  • <Articles>Views on Chu-ko Kung-ming in Xi-Chin 西晉 Dynasty
  • 西晋時代の諸葛孔明観
  • ニシ シン ジダイ ノ ショ カツ アナアケカン

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説明

諸葛亮(孔明) は古今にまれなる忠臣であり、また神謀奇略、たぐひなき武将ということになっている。この様な評価は、東晋南朝の正潤論の勃興とともに盛んになり、宋代、朱熹によって完成されたといえよう。また「三国志演義」は、この様な評価を広く大衆に植えつけるのに大きな役割を果した。本稿では正潤論が勃興する以前、孔明死後約七~八十年の間に見られる孔明像を追及するのを目的とした。孔明像の出発点となるのは、いうまでもなく陳寿の「三国志」である。まず三国志の諸葛亮伝について、亮自身が青年時代に志向した人物が、どのようなものであったかを考え、ついで同時代人の評価へと進む。そこに見られるのは、亮を秀れた政治家として見る方向が強い。陳寿の諸葛亮評もその線上にある。しかし陳寿とほぼ同時代人の張輔は、亮を政治家・武将の両面から高く評価しようとしている。

収録刊行物

  • 史林

    史林 59 (1), 86-106, 1976-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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